例の「台湾有事」発言では、力による現状変更を許さないと力説したが、トランプが仕掛けたイラン戦争に対して醜悪なほど媚びへつらった。この戦争を止めるのは世界でただ一人あなたドナルドよ、など臆面もなく狂信者を持ち上げる。狂気の沙汰というほかない。
男尊女卑のこの国で女性宰相が登場したこと自体驚いた。しかしこの人は男性優位社会が生みおとした。口角を上げて愛想良く見せる表情をつくるだけでも相当神経をすり減らしているだろうと同情するが、総理の座を射止めたからには「働いて×5」頑張ると宣言したのだから、へこたれるわけにはいかない。しかし、どうしてあんなにまで愛想を振りまく必要があるのか? 作り笑顔は見苦しい。この人の支持率が60%あるなど信じがたい。
その代わり、と言っては何だが、色褪せたかつてのロックバンドを官邸に招いたり、ホワイトハウスで好きな曲に踊り狂ったりするのは大目に見てほしい、という甘えもまた露骨である。アソウ元総理に焼き魚定食を振舞ったのはクリーンヒットだが、世間知らずで漫画好きの坊ちゃん爺は腹に据えかねたに違いない。この一事を持って首相のすげ替えを決断した。
この人は、二言目には力強い、とか美しいとか逞しいとか、抽象的なことしか言えない。どんな国にしたいのかという信念、信条を持ち合わせていない。誰も求めていない憲法改正を機が熟した、などとはしゃぐ。師匠譲りといえばそれまでだが、ロックに興じてタイコを叩いたり、バイクにまたがったりの青春時代をいまだに引きずり、ライトな感覚で世間を見渡している。
だいいち、憲法のどこを変えればこの国が強くなり、美しくなるというのだ。自衛隊は好むと好まざるにかかわらず既に軍隊として認知されている。国旗を損傷させるかどうかの議論など、到底必要がない。外国人の流入を制限して、働かない若い自国民に頼るのか。重要な政治テーマを置き去りにして平気な神経が凄い。
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