聞いた風なこと

中室牧子は、テレビ朝日の昼番組「木下容子のワイドスクランブル」で木曜日に登場する。コンビを組む元NHK記者の柳沢秀夫がまともなので、中室の空虚なコメントが一層引き立つ。柳沢の引き立て役としては十分過ぎる活躍なのだ。驚くべきはコメントの内容のなさ。びっくりショーに出られるほどである。先日はトランプの米国民向け演説に対して米国民が不満を抱いている、と木下が水を向けた際に、こう答えた。

 

「(不満の種類は)2つあり、ひとつはトランプの経済政策に対する不満、もうひとつは・・・・」などと述べたあと、米国内の統計数値を引き合いに過去も同じような傾向を示したことがある、と語った。誰でもいえるような話を、少しの数字をちりばめて、あたかもそれらしい話をこしらえる。やや早口でまくしたてるので、聞くほうは十分吟味できずにケムに巻かれるようにして頷く。しかしじっくり聞くと、聞くに値する内容など微塵もなく、滑稽なほどの自信過剰に裏打ちされた態度物腰で押し切られるのである。

 

昔、文章修業をしていたころ、講師がこんなことを教えてくれた。「文章の中に適当に統計の数字を並べておくと、それらしい論文に見せることができる」。中室のコメントは、まさに判で押したように毎度このスタイルである。少しの数値、数字を挿入し、巷間語られていることをオウム返しに繰り返すだけである。

 

この人の経歴を見ると、慶大で竹中平蔵の研究室に入り、日銀を経て政府委員などを歴任している。それにタカイチと同じ奈良県出身である。賢い視聴者には与党のタイコ持ちであることがすでにばれている。中味のない自称経済学者の類は、この人と同じタイプが多い。つまり、頭の悪い経済学者のステレオタイプなのである。専門は教育経済学。いかにも虚学で、到底世の中のためになる学問ではない。

 

この類いは無視すれば事なきを得るのだが、前述したように、聞いた風な話を有難く拝聴する可哀想な人も少なくないので、書き留めておくことにした。