狂い咲き

アメリカがいよいよ、狂い咲きし始めている。中東を蹂躙するイスラエルと共謀し、世界戦争に盲進している。米国内で最高学府に難癖を付け、自国の存在意義でもある移民の国を自己否定している。手の付けられない狂信者が率いる超大国は、地球規模での破滅をもたらすのではないか。

 

1987年。32歳のとき、勤めていた会社の業務の一環で、初めて海外に渡航した。行先は米国の3都市。業界紙の営業主任だった私は、警備会社の経営者を対象にしたセキュリティツアーの現地案内人として出張できなくなった上司に代わり、機上の人となった。サンフランシスコ、ラスベガス、シカゴを巡る1週間の旅は、カルチャーショックを受けるに十分な経験だった。

 

同行してくれた大手旅行代理店の担当者が話す。なんだかんだ言っても、アメリカは旅行するのには世界一素晴らしい国である。どこに行っても楽しいし、懐が深い一面を見せてくれる。確かに人種差別はあるが、多くの人種がるつぼのように混在しているそのさまもアメリカである、などと語ってくれた。

 

日本人は親切だ。一方アメリカ人は、そうではない。そんな迷信を少し信じていたが、そんな雰囲気はみじんもなかった。サンフランシスコの夜景は素晴らしく、グランドキャニオンは感動した。シカゴで食べたステーキは少し固かったが、堪能した。

 

その30年後。狂信者を米国民は選んだ。いったん退けたが4年後、亡霊のように再登場し、やりたい放題を続けている。今後4年間、思わせぶりな話題を続けて注目を浴びる毎日を己の日課と肝に銘じ、結局何一つ政策を実行しなかった、という結末を迎える。

 

日本製鉄や関税などは引っ張れるだけ引っ張り、耳目を集めることだけに集中する。中東に介入し、原油高を招来させる。世界恐慌の一歩手前まで行くのかどうか、それは不明だが、あまりにも常識外れの振る舞いは、近い将来、大きな悲劇を生むような気がしていならない。

 

トランプを選んだ米国民を見下す権利をわが国民は持つことができない。サイト―、タチバナ、イシマル、変な奴らを選び跋扈させるがままである。世界の人々は、いつの間にか選球眼をなくした。打てないボールにバットを出し、ど真ん中のボールを平然と見逃している。ビーンボール合戦が始まっている。このゲームには、危険球退場、というルールは存在しない。