再び、笠りつ子のこと

聞こえたわけでもないだろうが、笠りつ子が20日、騒動後初めて報道陣の前に姿を現して記者会見に応じた。LPGAは選手委員会の2人が笠と接見し、謝罪を受け入れたもようだが、LPGAの関与はそこまでで、小林会長と笠が揃う会見は持たれなかった。

 

LPGAの事後処理が稚拙だったことで、笠本人は早期の会見を設定することができず、ファンの非難を余計に浴びてしまった。協会が迅速に処理して、所属選手とともに報道対応をしていれば、笠りつ子の心身疲労はより軽度になったかもしれない。

 

プロスポーツ選手は、負けん気が強いくらいでないと、生きてはいけない。暴言の類で非難されても、その損失は本人とその周辺に及ぶに過ぎない。社会的な制裁は必要だが、あの落ち込みようが本当ならば、また今季に限らず、来季の一定程度の出場自粛などがあるとすれば、十分とは言えないまでも、最低限ではないか。

 

笠りつ子の姿勢に対し、お粗末に過ぎるのは協会及び協会長である。地位に連綿とし、保守反動を頑なにするその態度物腰に、かつてのさわやかな女子プロの名残りは微塵もない。悲しいことである。会長だけでなく、これまでの歴史を作ってきた先輩ゴルファーも、協会の利益にぶら下がり、経済的な恩恵を長く受けようとする姿勢しか感じられない。

 

黄金世代の人気をテコに、これからワンサカ儲けようとの魂胆を秘め、かつての名選手が群がっているのではないか、との思いを禁じ得ない。我が国のスポーツ協会は、プロアマ問わず、まさに総崩れの様相である。