不適切発言

ツアー通算5勝の笠りつ子が、11月15日に終わった「伊藤園レディス」に続いて今週の「エリエールレディスオープン」も欠場することになった。女子プロの今季ツアーは、出場資格が限られる最終戦の「リコーカップ」を含めて残り2試合。これで不適切発言後は実質的に出場自粛になると思われる。

 

発言が報道の通りだとすれば、同情の余地はないが、日本女子プロ協会が同席して迅速に記者会見を開かなったことで、本人への風当たりが一層強くなることは間違いない。調査すると言っておきながらロクに調べもしなかった。だから記者からの質問にもまともに取り合わなかった。見られることで成り立っているプロスポーツにおける危機意識の欠如であり、組織の長としてのリーダーシップがゼロである。

 

笠りつ子は歯切れのいいショットに定評がある人気のプロゴルファーだ。しかし、今回の発言以外にも、首をかしげたくなるようなことを口走ったとの指摘がある。厳しい指導で知られる坂田塾の門下生であり、キャディー役の実父と帯同して全国を転戦して来たにしては、教育が行き届いていないように見える。

 

本人にも言い分はあるだろう。弁明する資格はないが、顔を出して謝罪する機会は与えて今後の糧にすべきである。こうした発言は、笠りつ子に限ったことではないはず。社会常識に欠ける者はどの世界にもいる。ただ、この協会には自浄能力がないので、この先会見が開かれる可能性は極めて低い。昨年あたりから放映権を巡って揉めているテレビ局、あるいはスポンサー企業が受け皿作りに動くといいのではないか。